スリランカのアヌダラプラはポロナンルワに隣接する県で、世界遺産に登録されているスリー・マハーと呼ばれる有名な寺院があります。
スリー・マハー寺院には起元前3 世紀に当時インドで栄えていたマウリヤ朝アショーカ王の王妃、サンガミッタがゴータマ・ブッダの菩提樹の苗木を運び、当時の首都であったこのアヌラーダプラに植樹しました。紀元前288 年に植樹されたもので、人間の手により植樹された樹木では最古のものです。
生活用水は危険物質を含む井戸水
しかし、この地域の生活用水よして使われている井戸水からは、フッ素、ヒ素、カドミウムなどの危険物質が検出され、ポロナンルワと同様慢性腎臓病患者が多く発生しています。
OH電荷研究所の調査チームの簡易的水質試験でも、この寺院が水道敷設以前まで使っていた井戸からもフッ素が検出されました。現在は日本のODAによる上水道から水が供給されているため、寺院が使用している水道水からのフッ素の検出はありませんが、硬度が300以上ある硬水で、飲用水としてはかなり問題があります。
この寺院の高僧パルレガマ師から、前回の訪問時に水の安全と改良を要望されていたため、OH電荷研究所の軟水機能付き浄水装置を寄贈することになりました。
設置には水道施設担当のナーナサーラ師が立ち会われ、僧侶たちの食事をする食堂施設と、70名余名の僧侶が生活する生活棟へ、安全な水の供給が可能となりました。
OH電荷研究所の軟水機能付き浄水器で安全なおいしい水を提供可能に
水質検査結果
●硬度試験(写真左)寺院に供給されている水道水の硬度は80前後、浄水装置通過後の硬度は0になった。
●塩素除去試験(写真右)寺院の水道水にはかなり濃度が高い塩素が入っていたが、浄水装置通過後は無検出になった。
CKDuの原因とされる重金属を除去、 安全でおいしい水に。
一方、スリランカ政府からはアヌダラプラ地域の住民の多くは未だに汚染された井戸水を使用している地域が多くあるため、OH電荷研究所の重金属除去機能を持ったコンテナ浄水装置の設置を強く要望されています。
OH電荷研究所ではスリランカ政府の要請を受けて、CKDuの原因とされる重金属を含有している井戸水の安全対策で、下図のような試験装置をスリランカ政府に寄贈しました。
この試験機の性能試験は、フッ素が15mg/リットル含有している危険な水を試験水として装置の試験を行い、フッ素含有量はわずか0.08mg/リットルまで除去されることが確認されました。
OH電荷研究所はスリランカ政府の要請に応えるため、浄水装置設置予定の250ヶ所について、電源が無い地域や電源供給が困難な井戸も想定されることから、コンテナ型浄水システムにソーラー発電システムと、新型蓄電池システムを装備したOH電荷研究所独自の「重金属除去浄水システム」の提案をしています。
これらの装置を設置することによりCKDu患者が発生している地域の50万人に、安全な飲料水を供給することが可能になります。
- OH電荷研究所の浄水技術